ドラマ「ちむどんどん」では、オープンしたお店が最初は友達や近所の人が来てくれたのに、しばらくたつと誰も来なくなって休業の憂き目にあうという描写がされていました。
これは飲食店にはありがちなことです。
店をはじめると最初の頃は友達や知り合いが来てくれますが、それはいわば「義理」です。
そういった人をお客様だと思っていけません。
自分のお店を商売として、生活の糧としてやっていくのなら、知り合いではない「純粋なお客様」を呼び込なくてはいけないのです。
そして一回ではなく「何度も来てくれるお客様」、つまり「リピーター」を増やさなければなりません。
しかし、どんな良いお店も、まずは一度来てもらわなくてはリピーターになりようにありません。
それにはお店の「売り」を作ることが重要です。
「売り」とはアピールポイントのことですね。
お店の「売り」はどう作るか
女性が1人でやっているお店と言うことで、あなたの店にはそれだけの「売り」があります。
しかし女性の店も世の中にはたくさん存在しますよね。
そこでどうやって差別化を図るか。
「女性の店」であることに加え、さらに「魅力的な何か」が必要になります。
たとえば下記のようなものです。
「ちむどんどん」では、客が来なくなったお店の起死回生を図るため「美味しいラフテー」を作ってお客様を呼び込んでいました。
あの店にいけば「アレ」が食べられる、というのはお客様を呼び込む重要な要素となります。
それが強ければ「売り」は一つでも十分ですが、まだ自分の店にお客様を呼び込む力が弱いと感じたらまた別の「売り」を考えてみましょう。
私の店の「売り」
私の地元では、甲類焼酎(サワーのベースとなる焼酎)の会社があり、その焼酎は地元のどこの飲食店にも置いてありました。
私はそれを逆手にとって、九州から本格焼酎を取り寄せて揃えました。
地元の人たちは甲類焼酎をいつも飲むのだから、ちがう焼酎もあることを広めたかったのです。
私のもくろみは当たり、焼酎の好きなお客様がたくさん来てくれるようになりました。
「着物を着た女性」がいて「よそにはない焼酎」があり、さらに「つまみが美味しい」「トークがおもしろい」「内装が落ち着いている」「カレーが美味しい」。
後ろの四つは実際にお客様から言われた言葉です。
焼酎にあうつまみを工夫し、客層を40代以上である程度の金額を払える人と想定していたので内装をシックにしました。
実は残り野菜で作ったドライカレーにバゲットをつけてお通しにしていたのですが、お腹の空いた人が「ご飯もほしい」というので、用意したらなぜか「裏メニュー」になってしまいました。
これはまったく意図しなかったのですが、扉を開けて「今日、カレーある?」なんて聞くお客様もいました。
これはお客様の「その店の裏メニューを知っている」という特別感をあおります。
顧客化の第一歩ですね。
お客様に習慣化させる
周囲を見回しても、息の長い人気店は店の売りが2つ以上あるようです。
「ロックバー」だけど「美味しいカレーがある」
「小料理屋」だけど「珍しいウイスキー」がある
など。
カレーなら、スパイスカレーのお店はだいぶあちこちに見るように言っていましたが、逆に「お母さんのカレー」は珍しいと思います。
なんの変哲もないけど、どこか懐かしい味がする。
小料理屋でメニューにあったら頼んでしまいそうです。
メニューは刺身や天ぷらが中心だけども「カレー」もある。
今日は会社の同僚と別の店に行ったけど、シメはここのカレーが食べたくて来てしまった、などというお客様が出てくるでしょう。
「来るつもりはなかったのになぜか来てしまった」
これが常連化のカギです。
お客様の習慣になる「何か」があることが重要です。
などなど。
言葉は悪いですがどうしてもこの店に来たくなる「麻薬」のような何かを作ることが一番ですね。
売りを作ったらSNSで発信しよう
常連しか知らない裏メニューというのもお客様を定着させるひとつの手段ですが、まずは「売り」を作ったら宣伝しましょう。
SNSで「今、●●の開発をしています」と作る過程も見せると、期待感があおられます。
また、できたメニューの感想をもらって改善に役立てることもできます。
新しいメニュー作成に関われた、ということもお客様には「特別感」がありますし、長く店に通う理由になるでしょう。
積極的にパクろう
地方のお店であれば、都会で話題になっているものを真似すると言う手があります。
都会で流行っているけど、地元にはまだないのであれば、いち早く出すことで他店との差別化を計れます。
上でも書いたとおり「ここにしかない何か」というのは、お客様が足を向ける理由のひとつになります。
東京で人気の●●がある店に行こう→店の雰囲気が良かったし、ほかのメニューも美味しそうだ→また来よう
●●をとっかかりにしてもまずは店に来てもらい、そこから常連になってもらうという方法が考えられますね。
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