前回は「女性ひとりで開業する飲食店」は必ず流行る、ということを書きました。
とは言っても、それほど飲食店、しかもこじんまりとしたお店に入ったことなんてない、という方もいらっしゃいますよね。
そこで今回は、女性がひとりでできそうなお店の種類をご紹介します。
小料理屋
「女性がひとりでやっている店」といえば、まず小料理屋が浮かびます。
ドラマ「相棒」では「花の里」という店が出てきました。
女主人は着物を着て上品な一品料理を提供します。
あのくらい洗練された店なら客単価も高くすることができますし、良い客層も狙えます。
ただし、ある程度食器や調度も良いものが必要になりますし、料理の技術も要ります。
調理師免許を取る、もしくは飲食店での修行はした方が良いかもしれません。
また「ザ・お母さん」みたいな女性が経営する小料理屋もあります。
カウンターに何品も大皿料理が並んでいたり、丼物や麺類もあるような気が置けないお店は常連がつきやすいです。
「飲み物は勝手に冷蔵庫から取る」スタイルだったり、頼んでないものがサービスで出てきたりと家族的なお店です。
こういう店は一般的に客単価は安く、店主は常に動いていないと収入には結びつきません。
仕込みにも時間がかかるので大変ですが、面倒見がよく働き者の女性であればやりがいに通じるのではないでしょうか。
定食屋
小料理屋は夕方〜の時間帯ですが、ランチメインの定食屋を考えている方もいらっしゃると思います。
日替わりで美味しいものを提供できれば、常連客が付くでしょう。
しかし、昼食を外で取る方は時間の制約があり、早く提供できなければクレームの元になります。
ワンオペで営業することを考えたら、メニューの数は抑えたほうが良いかもしれません。
ランチは単価を安くせざるを得ないため、儲けは乏しいです。
居酒屋などでランチ営業しているお店もありますが、ほとんどは夕方の時間帯に誘導するためにやっているところが多いです。
ランチ後に一旦閉めて夕方また開店するというスタイルのほうが収入は見込めるでしょう。その時はお酒の提供もした方が良いと思います。
またはランチ後にカフェ営業などもアリだと思います。
近所の人が集まりやすいお店作りが必要になります。
スナック
地方では若い女性が男性の隣に座ってお酒の相手をする接客スタイルの店でも、キャバクラではなくスナックと呼ぶことがあります。(キャバクラは複数女性を揃えなければなりませんが、スナックはママひとりでもできます)
とはいえスナックの一般的なイメージは、人生経験豊富なママから話を聞いてもらう、時には説教されたり、なぐさめられたりするというような感じでしょうか。
常連が多く、人のカラオケに合いの手を入れたりと「おじさんの社交場」的な感じもありますよね。
ボトルキープが基本なのでお客様を囲い込みやすく、またボトルを入れている上司が部下を連れて飲み会の二次会として訪れたりと、団体客を見込めることがあります。
ママ目当てのひとり客が多い店になるか、団体も入る賑やかな店になるかはママのキャラクター次第。
また、年配ママの店になるとたくさん食べ物が出てくることが多く、ボトルさえ入れておけば2000円くらいで食事もできるので、日参する人も少なくありません。
カラオケはあったほうが良いか
カラオケスナックとしての業態もアリですね。
しかし、カラオケのレンタル料はだいたい月に三万円前後かかります。
未だコロナの影響もありますので、導入は時期を見て決めたほうが良さそうですね。
カラオケを入れると歌が好きなお客様が集まりますので、それを料金に反映させることもできますし、トークが苦手な人は楽、という面もあります。
ご自身が歌うのが好きであれば、歌って飲める楽しいお店になりますね。
但し、スナックはママに恋愛感情を持って近づく男性のお客様も多く、嫌な思いをすることもあります。
迷惑行為をする人には出禁を言い渡すなど、毅然とした態度が必要になります。
BAR
お酒を一杯ずつ提供するスタイルのお店です。
お客様とある程度の距離感を保ちたい方はバースタイルにするのもアリでしょう。
但し、本格的なBARはお酒についての専門的な話をしたいお客様が多いので、付け焼き刃の知識はすぐにバレます。
カクテルでも、プロと素人が作ったものは同じ材料を使ったとしてもまったく違います。
本格的なバーの開業を考えている方は他所の店で修行されたほうが良いです。
ただし、女性バーテンダーの店は、お客がつきやすいことは確かです。
カジュアルバー
同じバーでもオーセンティックなバーと違って、素人が始めやすいのがカジュアルバーです。
私のお店は「焼酎バー」を名乗っていました。
その形態にした理由は、
①多少のお酒の知識がある
②客と一定の距離感を保もてる
③焼酎はワインや日本酒と比べると鮮度が落ちにくい
という理由からでした。
また、自分が50歳近い年齢であり、女性的な魅力に惹かれて来る人はいないだろう、と思っていたからです。
スナックとの境界があいまいですが「カジュアルバー」ならお客様同士が仲良くなったり、賑やかな雰囲気がウリになります。
客層も男女比が半々くらいです。
バーなのでお酒メインですが、食事メニューもあったりと、その辺りは店主の裁量で決められます。
また、何かに特化したお店だと、初めてのお客様が入りやすいです。
ロックバー、アニメバー、ワインバーなど。
ご自分が興味ある分野であれば、お客様とのトークも弾みます。
カフェ
カフェの経営は女性にとても人気がありますね。
センスに自信がある方なら、もしくはコーヒーの知識や美味しいスイーツが作れるなら、人気のカフェになるでしょう。
店の内装も自身でDIYすると安く済みます。
但し、カフェは客単価が安く、いくらフードでがんばったところで1人1500円がいいところです。
しかも回転しません。
お客様で席が埋まっても、スペースが狭ければたいした儲けにはなりません。
夜の店であれば、お酒が無くなっていれば次を勧めることもできますが、カフェはそれができないのもネックです。
夜はカフェバー的な営業にするか、夜だけほかの人に貸して家賃を抑えるなどを工夫する方が良いと思います。
テイクアウト専門店/キッチンカー
コロナ禍で多くの店がテイクアウト商品の提供を余儀なくされました。
また「テイクアウト専門」「キッチンカー」などの形態も多く出回りましたね。
カレーなどは原価も安く済みますし、そこに「本場インドのスパイス」など特徴を持たせることによって、お客様の耳目をひきます。
出店する場所は交渉しなければなりませんが、キッチンカーなら許可を取ってしまえば県外でも営業できます。
但し、出店する場所、日にち、天候によってかなり売上が左右されます。
また車の中はめちゃくちゃ熱かったり寒かったりします。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
一口にお店といっても、いろんな形態があります。
簡易にまとめましたが、料理屋だから客とは会話しない、バーだから料理は出さない、などの厳密な線引きはしなくても良いでしょう。
はじめる時はだいたいのアウトラインを決め、営業しているうちに形を変えていってもよいのです。
まずはご自分がやりたいお店のイメージをふくらませることです。
また、ここでは店舗で営業する形態について説明していますが、物件を借りないという選択肢もあります。
たとえば副業として週末だけどこかを借りてカレー屋を営業する、というようなスタイルも考えられますね。
SNSで大勢の人と繋がることによって、「その日の営業場所」にお客様が来てくれます。
そしてそのお客様がまたSNSに記事をアップしてくれますので集客が見込めます。
今まであった業態に縛られることはないのです。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
次は開店するまでの準備について書きます
コメント