女性ひとりで開業する飲食店 開店準備 なにから始める?

飲食店開業

さて、いよいよ開店に向けて本格的に動き出します。

これまで準備してきたことを元に、まずは何からはじめたら良いでしょうか?

 

創業支援の相談にいく

それぞれの自治体では必ずといっていいほど「創業支援」のためのシステムができています。

自治体の掲げる条件に合えば開業資金を援助してもらえたり、家賃補助などが受けられます。

まずは役所のサイトで調べ、相談の予約をとりましょう。

そこで役に立つのが「準備編」で書いた「イメージノート」です。

イメージノートを元に「開業計画書」を作りましょう

担当者が見るのは以下の項目です。

 

店のコンセプト
内装のイメージや設計施工スケジュールと見積もり
経費(固定費と変動費)の見積もり
どういった客層を見込んでいるか
日別、月別の売上予測
自己資金でまかなえるか、借り入れするか

 

担当の人もいろんな人を相手しているのです。

しっかり準備をして相談する人には、親身になって話を聞いてくれます。

またSNSも見てもらえば、あなたのフォロー者数や投稿の内容を見るでしょう。

見られるのは「あなたの本気度」です。

 

おためし営業

 

私の住んでいる土地では、屋台村の空いている店舗を一日単位で借りれるという制度がありました。

こういったシステムがあればぜひ活用したいものです。

おためし営業をして接客に慣れるわけです。

実際に他人に飲み物や料理を出すと、いろんなことに気づきます。

また、お試しなら忌憚なき意見を聞けますよね。

飲み物が冷えていないとか、お通しの量が多いから料理を頼まなくても満足してしまう、とか。

また「この料理に○○円は高い」など。

おためし営業であれば失敗してもいいわけができます。

その失敗を元に軌道修正して、本営業のたたき台にすれば良いのです。

空いてる時間に間借りする

 

空き店舗を借りられるようなシステムがなくても、夜だけやっているお店を昼だけ借りて営業することも考えられます。

あなたが日中働いているなら、夕方までやっているカフェの閉店した後に間借りしてドリンクを売る、カレーなどの料理を売る、などということができます。

こういった「小さな商売」は最近話題になっています。

副業としても、本格的に開業するまでのおためしとしても良いですね。

 

中古を狙え

それぞれの地域に厨房機器を扱う業者がいると思います。

また、中古専門に扱っている業者もいます。

どれくらいお金がかかるかはある程度調べておき、ちょうど良い中古品を見つけられるとラッキーですね。

私もたまたま地元のラーメン店が業務用の冷蔵庫を入れ替えするが、古いものはまだ使える、というSNSの投稿を見て、知り合いの開業希望者に紹介したことがあります。

また友達から「親戚の家を壊すことになったが、まだ着物や生け花の道具があるので見に来ないか」と声をかけられたことがあります。

私が着物好きで、生け花もやっていることから話を頂いたのですが、とても趣味の良いお家で、値打ちのある食器や花器がたくさんありました。

その時は、店を開業するのは半信半疑だったのですが、高価な箱入りの器やグラスを全部頂いてきました。

頂いたお皿やグラスは私の店で大活躍しました。

SNSでも「お店をやる」ことを宣言しておくと、こういう時に役に立ちます。

 

什器はどうするか

 

いざ開店となると、やることが山のように出てくるので、開業が本決まりになる前に食器や小物などは集めておいた方が良いですね。

ある、女性がひとりでやっている小料理屋に行ったとき、そこの店主が「お皿は100均で充分」と言っていました。

その店が気取らない接客の薄利多売店なら良いのですが、一品一品の料理はけっこうなお値段がついていました。

100均だとわかるお皿に乗っている家庭料理が1000円とすると、お客様はお得だと思うでしょうか?

私はマイナスだと思ったので、リサイクルショップで箱に入ったお皿を中心に揃えました。

有田焼のお皿でも五枚入り1000円くらいで売っています。

ひとりで営業する店なら、お皿がそろっていなくてもそれが「味」となります

一枚200円と考えたら、それほど高い買い物ではありません。

それぞれの考え方はあると思いますが、いかにも安物の皿では料理の値段は上げづらいですよね。

 

 

物件を見に行く

 

どこに店を出すか、というのは一番大事な項目です。

あなたはどういった場所にお店を出すことを想定していますか?

 

駅前に近い
繁華街の中
ビルの中か路面

 

人気のある場所は家賃もそれだけ高くなります。

でもまったく人通りのない場所や、奥まったビルの上の階では、はじめてのお客様は入りづらいですよね。

地元には華やかな繁華街がありますが、私はそのちょっと先にある飲食街にしました。

その飲食街には、店主がひとりでやっている小さな店が集まっているからです。

そしてその街の道路に面している一階の店にしました。

一階のほうがお客様が入りやすいと考えたのです。

女性ひとりの店ですから、あまり暗い場所も考えものです。

しかし、繁華街の目立つ場所でなくとも、こじんまりとしたお店にはお客様は入ってきます。

家賃や周囲の店の様子も見つつ物件を決めましょう。

 

居抜きをねらう

 

だいたいの候補地を決めたら、うまく「居抜き物件」をねらいましょう

居抜きとは、前に飲食店をやっていた店の造りをそのまま利用すること。

一から内装をやり直すよりお金がかからず、物件によっては厨房機器もそのままだったりします。

コロナ禍で閉業する飲食店がたくさんあり、空いている物件がたくさんあります。

もし希望に近い物件が空いていたら、迷わず入れるように心とお金の準備はしていたいものです。

私は地元にできた創業支援センターに行ったその日に不動産会社の社長を紹介され、すぐに物件を見に行きました。

小さな飲食店街にあり、しかも路面の一階。

条件はぴったりなのですが、カウンターのみでとても狭い物件でした。

断ろうとしていたところ、「隣の物件も来月空くから、そうしたら壁をぶち抜いて一軒にする。内装もこちらでやるから借りてくれ」と言われました。

結局トイレを水洗にしただけでお金がかかってしまい、内装は自分でやることになってしまったのですが、約100万円で済みました。

はじめに「内装費は持つ」と言われたので決めた物件でしたが、広さ的にはちょうど良かったです。

このあたりは不動産業者としっかり書面で取り決めをしておけば良かったと思っています。

 不動産業者とのかけひき

 

家賃も最初は七万円と提示されたのですが、私はそれは五万円くらいしか出せない、と返したところ「じゃあ五万二千円で」と言われてOKしてしまいました。

後から物件の場所などを考えてみると、五万円でも高いのではないか…と思うようになりました。

不動産業者との駆け引きでは、誰かについていってもらう事、また一度の交渉で決めず、何度か交渉することが後々後悔しないと思います。

また何か提示されたら、書面に一筆いれてもらったほうが良いと思います。

 

内装はどうするか

 

首尾良く居抜きの物件に入れたとしても、自分のイメージに合わなければ内装を変えたくなりますよね。

どの程度の金額がかかるか悩ましいところです。

私の場合は不動産業者に紹介してもらいましたが、物件を借りる前に内装業者や費用の情報は集めておいたほうが良さそうです。

資金に余裕がなければ、DIYするという手もあります。

自分自身で壁を塗ったり棚を作ったりすれば、かなり安く済みます。

リーズナブルで親しみやすいお店なら、DIYで整えた店や寄せ集めの調度でも、それが「センス」になります。

但し、内装が素人なのに料理の値段は高級店並みというアンバランスさは、お客様を遠ざける元です。

高級店を目指しているなら、内装もプロに任せたほうが良さそうです。

また、私の場合は業者の作業が終わってから家賃を払うという取り決めになりましたが、作業中から家賃が発生することもあります。

DIYにあまり時間がかかるようなら、かえって損をすることになりかねないことを頭に置いてください。

 

お金を借りる

 

なるべくなら借りないほうが良いかもしれませんが、開店準備で自己資金を使い切ってしまってもキビしいですよね。

開店後、思うようにお金が入ってこない時に大変な思いをします。

 

政策金融公庫は低金利で借りれる

 

私の場合は開店資金が300万円前後になりそうでしたので、全額自己資金のつもりだったのですが、創業支援の担当者に借りることを勧められました。

政策金融公庫と地方銀行を勧められたのですが、銀行のほうが審査は厳しいとのこと。

公庫のほうが若干はマシ、とのことでしたので、そちらに行くことにしました。

(しかし、こちらも厳しいことは厳しいのですが)

 

ここでまた「開業計画書」を用意してください。

これは創業支援で作ったものと同じでも良いですが、公庫ではより数字関係を明確にしたほうが良いでしょう。

私が公庫で聞かれたのは以下の項目です。

想定している客層
客単価
毎月の売上予想
損益分岐点(どれくらい集客があれば店を維持できるか)
自己資金額

私が使った裏技

 

裏技というか私が使った手なのですが、私は面接に着物を着ていきました。こういう格好で店に出ますよ、ということです。

面接をしてくれた方と、気さくなジョークも織り交ぜつつ、明るくまじめに話しました。

「この人の店に客が集まるだろうか」というところを見られているのですから、まじめさと親しみやすさを演出したわけです。

その甲斐あってか、一度目の面接で好感触を得、二度目には審査に通りました。

知り合いに四回通ってもダメだった、という人がいたので、私のもくろみはかなり成功したと思います。

 

まとめ

さて、やっと本格的な開店準備です。

ここまで来たらやる事は山積み、ものすごい勢いで時間が過ぎていきます

そしてお金もすさまじい勢いで飛んでいきます

しかし、これまでお店の開店のために切り詰めた生活をしてきた人も、出す時に出さないと、あとで後悔することになります。

私の場合は安物を買って結局あとで使えないとか、工事代金をケチってバックスペースを作らなかったことを未だに後悔しています。

失敗もすると思いますが、まずは開店することを第一と考え、改善点は後回しにしましょう。

 

最後まで読んで頂きありがとうございます。

次は開店準備編の2です。

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