準備をかさね、やっとオープンを果たしたあなたのお店ですが、その後順調に営業できているでしょうか?
毎日、料理を仕込んでいるのにお客様が入らない。
自分が想像していた客層とちがう。
料理の店なのに話し相手を求められる。
などなど、開業前の予想とは、まったくちがうことが起こっているかもしれません。
今回は「女性ひとりのお店に起こりやすいトラブル」を対処法と共にご紹介します。
オープンしたての店には困った客が来る
ショッキングなタイトルですが、これはよくあることです。
「高級感」や「本格派」をかもしだしているお店はそうでもないようですが、
ひとりで営業している、薄利多売である、女性がやっている、などが外観からわかるお店には「招かれざる客」が来ます。
席に案内しても勝手に座る
お酌を強要する
上から目線で説教、もしくは命令する
大勢で来て騒ぐ
料理を出す店であっても、話相手をしないと怒る
下ネタばかり言う
ほかの客に絡む
会計時に「金がない」「高い」と言い出す
新しい店の客層が落ち着くまでには最低半年〜1年はかかります。
また、売上が安定するのもそれぐらいの期間がかかります。
さまざま準備を重ね、大金を注ぎ込んだあなたのお城を「迷惑な客」ごときに荒らされてはいけません。
お客様は神様ではありません。
自分の店の最低限のルールを設定し、それを破るような人なら追い出しても良いのです。
あなたが迷惑に思った客は、ほかのお客様も迷惑に思っています。
迷惑客を追い出すことができなければ、良いお客様も定着しません。
つまり、いつまでたっても困った客が訪れるということです。
それをクリアすれば必ずあなたに合うお客様が定着します。
最初の関門と思い、きぜんとした対応を心がけましょう。
「困った客」への対処法
大声を出す客
お客様だからと言って、なんでもかんでも許容するのは間違っています。
たとえば、迷惑になるくらい大きな声を出して騒いでいるなら「ほかのお客様もいらっしゃいますので、もう少しお静かに…」と注意しますよね。
それで静かになってくれるならいいのですが、まったく聞かないでまだ騒いでいるようなら、退店を告げましょう。
迷惑客もこちらを試している場合があります。
大声を出しても何も言われなかった。
すると、ふたたび来店してまた騒ぎます。
「騒いでも良い店」と思われて、いいように使われるのです。
男性のひとり客が長居する場合
女性の店ではかならずと言っていいほど「男性のひとり客が長居する」ことがあります。
あなたを「恋愛対象として見てくる」つまりイロコイの男性です。
むしろ、そういった男性客が半分以上という店もあるでしょう。
店のスタイルや店主のキャラクターなどによって、客層は変わります。
とても美人であったり、色っぽさがある女性であれば、そういった男性客が多いのは仕方のないことです。
自分を目当てにしているのだから、それに見あった金額を頂けば良いのです。
しかし、スナックやキャバクラであれば、こういった男性がターゲットですが、小料理屋であれば迷惑客のうちに入る場合がありますよね。
ひとり客ですから相手をせざるを得なく、中にはあなたをずっと口説いてくる人、下ネタを言ってくる人、上から目線であれこれ指示してくる人などもいます。
料理を出す店であれば、ほかにやることがたくさんありますから、ずっと相手をしなくても良いでしょう。
私の知っている小料理屋さんに、そういった男性客にはあいさつしかせず、話しかけられても応えない、という人もいました。
これは極端かもしれませんが、あなたをイロコイの対象としてしか見ないような客が迷惑であれば、そういう対処の仕方もあります。
女店主が話相手をしないからといって怒るような人は、最初からいらないのです。
私が行った対処法
私はあからさまにお客様に優劣をつけるようなことをしました。
カップルで来た客がいれば、そちらの相手ばかりをして、ひとりの男性客に冷たくするというような感じです。
「来てもいいけどあなたは良い客ではない」と遠回しに示しているのです。
私が相手しないとなると、怒って帰る人もいましたが、かまいません。
自分が特別だと思っているような人はこちらもいらないのです。
また、ほかにお客様も居らず、男性のひとり客に相手しなければならないような時は、逆にドリンクをガンガンもらって会計を釣り上げました。
6000円くらいにはなっていたと思いますが、メニュー通りの金額です。
それでも通ってくれるなら良いお客様ですし、来なくなればそれまでです。
迷惑客の会計を高くするというのは、チェーンのお店なら問題になるところですが、個人店ではよく聞く対処法です。
値段分の迷惑をこうむっている、という考え方です。
常に新しい客を呼び込む工夫をする
開店したばかりで、お客様が少ない時は、困った客でも大事にしなければならない場合があります。
しかし、客単価1500円でずっと下ネタばかり言っている客の相手をしているのも厳しいものです。
何度か書いていますが、SNSでの発信を怠らないようにしましょう。
地元のアカウントをフォローし、「地元コミュニティ」の一員になることが重要です。
それが常に新しいお客様を呼び込む有効な手段となります。
常にお客様が入っている店は「迷惑客」の溜まり場にはなりにくいです。
また、SNSで知り合った人は、同じくSNSで知り合った人がいれば親近感を持ちやすいもの。
あなたのお店がSNSのフォロワーさんの溜まり場になれば、ひとり客が多くてもあなたひとりが相手をしなければならない、という状態にはなりません。
会話であふれる楽しいお店になり、また安定した売上も見込めることになります。
お客様には常に敬語で
「迷惑客」を寄せ付けないようにするには、お客様との一定の距離感を保つことが大切です。
あなたをイロコイの相手として馴れ馴れしく接してくる人にも、ふつうに食事やお酒を楽しみにきたお客様にも同じように接することによって、イロコイ客を牽制できます。
イロコイ客が求めているものを与えないようにするのです。
ですから、向こうがタメ口で話してきたとしても、常に敬語で接することです。
フレンドリーというのはお客様にとってはうれしいものですし、慣れたお客様にはタメ口で良いだろうと思いがちですが、新規客との扱いの差が出ます。
たとえば、お客様と友達のように楽しく話していたところに、新規客が入ってきたとします。
そのとたん、固い言葉遣いに変われば、新規のお客様は居心地の悪い思いをするでしょう。
新規客にもフレンドリーなタメ口で接することができなければ、誰に対しても敬語で接するほうが正解なのです。
また、お客様は、大小の差はあれ、自分を特別視してほしいと思っています。
たとえば「誕生日を覚える」「以前の会話の内容を覚えている」などです。
静かに食事やお酒を楽しみ、大きなお金を落としてくれる「良客」なら、積極的に感謝の気持ちを表しましょう。
前に飲んでいたお酒を覚えておき、
「先日、美味しいとおっしゃってた●●と同じ酒蔵で作られたものです」
などと説明できたら、お客様はうれしいものです。
そういった「良客」と店主がつくる空気は、店主と自分だけの空間をのぞむ迷惑客に合いません。
良客が増えれば、しぜんと迷惑客はへっていくのです。
お店の客単価と客層との関係
飲食店を初めてやる人は、自信のなさからか、商品単価を下げる傾向にあります。
「安くすればお客様は来るだろう」と思いがちですが、単価を安くするとお客様も安くなるのです。
つまり、お客様の質が悪くなるということです。
また、そういう「安い客」は、すでに安い金額に対しても「高い。もっと負けろ」と言ったりします。
酔って暴言を吐く、ほかの客に絡む、お金を持っていないなど、安くすればするほどこういう迷惑客が増えます。
お金をもらうからといって卑屈になる必要はありません。
また彼らの要求を聞くいわれは無いのです。
私の店は、最初はチャージ600円、ドリンクは500円のものが多かったのですが、やっている間にチャージを800円にまで上げ、ドリンクも高級なものを増やし、つまみも高級なものを置いたた結果、店で大声を出すような人はまったくいなくなりました。
客単価を1500円から3000円まで上げたら、3000円払える人が残ったということです。
そして3000円払える人は、あなたを口説きはしませんし、会社の同僚を連れてきたり、家族で来てくれたりします。
こういうお客様はありがたいですよね。
偏見かもしれませんが、1500円の客はあなたにお酒や料理以外のものを求めます。
精神的なケアや「女性としてのあなた」を求めてくるのです。
こういったお客様は毎日来るかもしれませんが、とても疲れますね。
無銭飲食とツケの問題
女性ひとりで経営する店ですから、「何か悪いことをたくらんでいる」人には目をつけられやすいです。
特に無銭飲食は一度は経験するかもしれません。
店はなるべく明るい照明にすることに越したことはありませんが、それが無理ならお金をしまう場所などは工夫した方が良いでしょう。
あまり信用できなさそうな人が入ってきたら、飲み物や食品を提供する前にトイレに行き、食べ終わった頃に不在にしないようにするなど工夫しましょう。
ツケは論外です。
一度、OKしてしまうと、二度、三度と要求します。
昔は会社の名刺を出して、そちらに請求してくれと言われることも多かったですが、今のご時世回収できない場合も多いですので極力ことわったほうが良いでしょう。
無線飲食もツケも「なあなあが許せそうな雰囲気」「まだ自信のない女店主だから」という経験のなさを突かれているのです。
経験を積んでしまえば、また良い客が多い店であれば、こういったことはなくなります。
要は早く自信をつければ良いことです。
まとめ
最後まで読んでいただきありがとうございます。
次回は「売上が伸びないときの対処法」です。
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