今回は「女性の店」にありがちな、恋愛目的に来店する男性客についてです。
ショックを受ける方がいると思いますが、
小料理屋だろうが、Barだろうが、女性がひとりでやっている店には、必ずといっていいほど
あなたを恋愛対象としてみてくる男性のひとり客が訪れます。
「女性がひとりで営業している」ということは「独身の女性」だと思っている人も多いようです。
恋愛したい、もしくは結婚したい男性、もしくは不倫相手を探したい男性などが、あなたにそれらしい態度をとってきます。
あなたが水商売に慣れていて、イロコイ的なトークが得意であればいいのですが、そういった接客に免疫がない場合はとても嫌な思いをするかと思います。
こういった「イロコイトーク」を避けるには、下記の対処法が考えられます。
ひとつずつ解説していきますので、参考にしてみてください。
どんなお客様とでも一定の距離感を保つ
これはイロコイ客を避ける以前の話ですが、お客様を差別すると差別された客は嫌な思いをしますよね。
また、親しげにタメ口を聞かれたお客は親近感を覚えます。
お客様を囲い込もうとして、あえてタメ口をきくのもアリですが、新規客との差が出てしまってはあまり良い印象は与えません。
顧客でも一見客でも丁寧語で接したほうがまちがいがありません。
また、相手がどんなに馴れ馴れしくしてきても、きぜんとした態度を崩さないことによりイロコイ客との面倒は減らすことができます。
照明を明るくする
食事がメインのお店であれば照明を明るくし「そういうトークを許さない」雰囲気を作ると良いでしょう。
そして暇な時間でも、親しげな会話を避けるようにしたほうが良いかもしれません。
あくまでも料理が売りなのだから、会話はあくまでもオマケ。
なんなら「サービス」くらいのつもりでも構いません。
つきあっている男性の存在をほのめかす
何度か通ってきてくれる男性客には、
「休みの日は何している?」とか「店が終わった後にどこか行こう」などと誘う人がいます。
これらを避けるためには、
「休みの日は彼氏とデートです」
などと臆面もなく告げると、あっさり引き下がります。
しかし店にも来なくなることも考えられますので、そのあたりはさじ加減です。
グループ客を優遇する
お店にとって大事なのは「売上」です。
これがなくては、せっかく出したお店もすぐに立ち行かなくなります。
毎日通ってくれても、ひとり客というのは話し相手をしなければならなかったりしますよね。
グループ客はグループで会話するので、店主がすることは飲み物と料理を出すことだけです。
効率を考えたら、どちらが良いがわかりますよね。
男性のひとり客がズラリ、とカウンターに並ぶよりは、グループ客が何組か入ってくれるほうが効率が良く、またよけいな手間ははぶけます。
客単価を上げる
客単価が安いと、それなりのお客様が増えます。
十分安いのに値段に文句を言う、酔っ払って暴言を吐く、あなたを安いホステス扱いする、など。
これは差別ではなく事実です。
高めの値段を設定すると、それを払えるお客様が来ます。
ある程度の金額が払える人は、それなりに肩書きや立場があったするので、飲食店で醜態を晒すことは少ないです。
クダを巻いたおっさんばかりの店にしたくなければ、単価は安すぎないほうが良いかもしれません。
いいなりにならない
数年前にカラオケスナックの女店主が、男性客に刺殺された事件がありました。
五十代で妻子ある男性が、二十代の女性に対して勝手な妄想を募らせて凶行に及んだのです。
犯人は、女店主が甘いものが苦手だということを知っていて、いつも甘いものをみやげに持ってきたそうです。
「甘いものを好きになってもらいたい」からと。
こういう女性をコントロールしたがるような男性は危険です。
脳内の妄想ができあがっているので、あなたがそれに外れるような行動をすれば逆ギレする危険性も出てきます。
お酒や料理以外の何かを要求してくるような人にはそれに応えないこと。
愛想笑いもしないほうが良いでしょう。
塩対応が自分の身を守ります。
相手にしない
オープンしたては、どんなお客様でもうれしいものです。
せっかく来てくれたのだから、と気を使いすぎてしまったりしますよね。
しかし「過剰なサービス」は相手を増長させてしまいます。
相手が際どい話をはじめたら、聞こえないフリをしましょう。
ふつうの会話なら、相槌を打つなどしても、下ネタをはじめたら無言になるとか。
「サービス悪いな」などと言われたら、「そういう店じゃありませんから」で良いと思います。
もっとも。
下ネタトークが得意な人であればその限りではありません。
私の体験
女性ひとりの店に日参するような男性の中には、店主に「疑似夫婦」「疑似恋愛」的な関係を求める人がいます。
いくらこちらがお酒と料理だけの提供のつもりでも、向こうの脳内では勝手な脳内ラブストーリーができあがっていることがあります。
私も何度かありました。
閉店間際に入ってきた客でしたが、トークが面倒な人なので私はあまり相手したくありませんでした。
「もう閉めるからラーメン食べに行きましょう」と誘い、自分の分は払って帰りました。
わたし的には「面倒な客をうまくあしらった」つもりだったのです。
ところがその人は、翌日から毎日来てはいきなり手を握ってきたり、休みの日に一緒に行く場所の話をはじめたりと、以前よりずっと親密な態度をとってきました。
これは私が無知だからなのですが、
「ママが自分からアフターに誘った」
ということで、その客に対して本気に思っていると思われたのだと言うのです。
昔の飲み屋の作法として、店のママというのは客とのアフターには付き合わないものなんだそうです。
ローカルなルールなのだと思いますが、そんな風に私が「OK」しただなんて思われるのは気持ち悪いですよね。
この話には後日談があります。
飲食店勤務の彼女の仕事終わりを、私の店で待っている男性客がいました。
40代でけっこうなイケメンです。
面倒客はいつ店に来ても男性客がいるので「あれがママの彼氏なんだ」とあきらめたようで、それから店には来なくなりました。
私にとっては、ホッとする出来事でした。
まとめ
女性ひとりで営業している店には、必ずといって良いほど、面倒な男性客が現れます。
食事メインの店であれば、長くトークをしない。
お酒が出る店であれば、それっぽいトークに付き合わない。
などの対処法があります。
また、逆にイロコイ的なものを求めて日参する男性客を、うまく通わせてお金を落としてもらう、という営業もあるでしょう。
このあたりは店主のキャラクターとさじかげんです。
また、ほかのお客様にも迷惑になるような人、注意してもイロコイトークをやめようとしない人は、思い切って「出禁」を言い渡すことも必要です。
自分の身と店を守るには、多少の売上は捨てるくらいの覚悟が必要です。
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